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「レイ〜!!あがるわよ〜」
玄関で自分の名前を呼ぶ声がする。

それは誰と言われなくても分かる人物の声だった。
「レイ、お邪魔していい?」
カチャリと戸の開く音がすると、そこから覗いたのは赤毛の髪、ルナマリアだった。

「どうしたんだ?ルナマリア?」
中学のときはよく家に来ていたのだが、高校へと進学してから家に訪ねてくるのは初めてだった。
「んーちょっと・・・お勉強教えてもらおうかと思って・・・」
だめかなぁ?と言った表情でルナはレイを見た。
「いや、いいが・・・少し待ってもらえるか?」
ルナはそういわれ、レイが何かをしていることに気づく。

「何してるの?」
ルナは戸を閉め、中に入ってきた。
「シンに受験勉強を教えたお礼だともらったんだ」
レイ机の前にはカラフルな部品らしきものが並んでいる。

「・・・プラモデル?」
ルナは少し考えた後、言った。

「よく分からないんだが、アニメロボットらしい」
レイはアニメに興味がないので何なのかは分からなかったが、説明書と箱を見る限りこれがプラモデルなのは分かった。
「意外!レイがプラモデルつくるなんて〜」
ルナは意外なレイの一面が見れてうれしそうに言う。

「特に好きなわけじゃないんだが、せっかくもらった物を作らないわけには行かないだろう」
しかしレイは、冷静に返してきた。
レイらしいと言えばレイらしい。

「なになに・・フリーダム、ライトニングエディション・・・ライトニング・・・」
ルナは置いてあった箱を取り商品名を読み始めた。
「ライトニングてことは光るの?」
「らしいな」
レイは紙やすりで部品を削っている。
「あ!これ8000円もするじゃない!っていうか、シンったら値札ぐらい剥がしなさいよね〜」
ルナはその値段に驚く。
シンは当時中学生。
中学生で8000円と言ったらかなりの大金だ。
「合格祝いにお金をもらったらしい」
「へ〜じゃあ、レイにはかなり感謝してたのね」
ルナはひょこりとレイの手元を覗き込んだ。
「うわ・・細かい・・・」
さすがはレイといったところか、細かいところまでキレイにしてある。
「組み立てるだけじゃダメなの?」
わざわざそこまでしなくても・・・という疑問がルナに沸いた。
自分はプラモデルには全く興味がないのでパズルのように組み立てるだけなのだと思っていたのだ。

「調べてみたらこうしたほうが上手く仕上がると書いてあった」
「レイ・・・」
やはりレイは几帳面な上に律儀だ・・・
ルナはそんなレイもレイらしくていいけどね、と思う。

「・・・ルナマリア・・・」
「え?何!?」
ルナはいきなり振り返ったレイに驚く。
「もうすぐ一段楽するからもう少し待っててくれ」

「うん・・いきなりきたのは私のほうだし・・あ、もし邪魔だったらまた今度でも」
「いや、邪魔じゃないよ」
レイは優しく微笑む。
ルナはそんなレイの笑顔に少し頬を染め、
「座ってるね」
と、テーブルに着いた。

10分後、一区切りついたレイに勉強を見てもらいました☆



数日後。

「ちょっとシン!」
「何だよルナ・・・」
ケーキがあるからいらっしゃい、とルナの家に遊びに行くと、
「人に贈り物をするときは値札ぐらいはがしなさいよね!」
ルナにいきなり怒られた。
何のことだかさっぱりわからないオレは変な気分でケーキを食べた。


家に帰るとレイが待っていて、
恐ろしいぐらい完璧に出来上がったフリーダムを見せられた。
色・・・エアブラシだよな・・?
持ってたっけ?そんなの・・・
そんなオレの疑問をよそにレイはなかなか自慢げだった。





あとがき
プラモデルがデステニィーじゃなくフリーダムなのは突っ込みどころ(笑)
ふと思うこと、
キラ→青 アスラン→赤 シン→?赤と青?イメージカラーだぶってるよ・・・
レイ←ルナなお話でした。
ルナは誰かとCPにするならレイかなぁ・・私は。いいコンビだと思いますね。