初めてのお出かけ

「カガリ 今日の放課後買い物に付き合ってくれない?」
それはミリィからの突然の誘いだった。
「でも 生徒会が・・」
そう言いかけたとき
「いいぞ 言ってこいよ」
とアスランが言った。
「転校してから毎日生徒会に顔出してるだろ?たまには休んでいいよ」
事実、毎日生徒会に出ていた。
その為、ラクスとは生徒会でいろんな話が出来るものの、ミリィとは限られた時間しか話せていない。
せっかく友達が出来たのにこんな付き合いでは少し寂しい気がする・・と感じたカガリは喜んでアスランの言葉に甘えさせてもらった。

「どこ行くんだミリィ?」
ミリィはカガリを連れて電車に乗っていた。
「だって、転校して来てからほとんど生徒会の仕事してるでしょ。たまには遊んで息抜きしないとね!」
そういってミリィはウインクをした。
ああ・・・気を使ってくれてんだ・・
カガリの顔がほころぶ。
「私だってカガリと遊びたかったし、アスラン・ザラのいる前で思い切って言っちゃった」
「?なあ、前から不思議だったんだがなんだかアスランのことを「アスラン・ザラ」っていうやつ多くないか?」

カガリが転校してきてからアスランがキラたち以外の人と話すのをあまり見たことがない。
遠巻きに見ながらアスラン・ザラだ・・なんてことを言ってるのを聞いたことがある。
用があるなら本人にちゃんと言えばいいのに・・なんて思ったものだ。
「んー近寄りがたいところがあるからね〜」
「そうか?」
カガリにはさっぱり分からない。
アスランは怒ると怖いが、それは自分が間違えたときなので当然だ。
普段は優しいし、キラと漫才みたいな掛け合いをしている(ボケとつっこみならつっこみだな)
「確かにカガリはアスランと普通に話してるわよね」
普通?普通じゃない話し方ってなんだ・・?
なんて思っていると電車が目的地に着いたらしい、ミリィが
「ここで下りるの」
といってドアの前まで歩いていった。

電車から降りると、しばらく地下街を歩いた。
歩いている間中、ミリィと前の学校のことや担任のマリュー先生のことなんかを話した。
やっぱり女友達っていいなぁ・・なんてカガリが思っているとミリィの足がぴたっと止まる。
「ここ!先週できたばかりのケーキ屋さんなの」
ミリィが止まった先には色とりどりのケーキがショーケースにたくさん並んでいた。
お店の中もピンクを基調に可愛らしいデザインになっている。
「わぁ!」
カガリは思わず歓声を上げた。
別に自分が少女趣味なわけではないが、やっぱり可愛いものは好きである。
「せっかくだから初めてはカガリと一緒に来たかったの」
そういって笑ったミリィにカガリは
「うん!ありがとう!」
と笑顔で答えた。

ケーキは本当においしかった。 ショートケーキにアップルパイ、抹茶ケーキ、シフォンケーキ、フルーツケーキすべてをミリィと半分こして食べたのだ。
1度で2度おいしい・・何か違うがそんな感じだった。

そこでケーキを食べた後は地下街で洋服を見たりアイスを食べたり。
ここに転校してきてからはじめての出来事だった。

散々遊んでミリィと分かれる駅まで来たとき
「ほんとにありがとう。ミリィ」
カガリは心からそう言った。
「私も楽しかったわ またいこうね!」
「ああ!」
そういって私たちは分かれた。

家に帰ると今日あった出来事をキラとお母さんに話す。
自分のことのようにうれしそうに聞いてくれる2人を見てカガリはここにいれることを
本当に幸せだと感じた。
またミリィと遊びに行きたいな・・




あとがき
ミリィとの関わりがあまりにない連載。なので絡ませて見ました★
ミリィは気の使い方もうまそう・・

拍手ありがとうございます★