クリスマス物語1

カガリへのクリスマスプレゼント。
何をあげたら喜んでくれるだろう・・・

女の子に贈り物をしたことのないアスランは途方にくれたくなるぐらい悩んでいた。
カガリが喜ぶものと言えば・・・・・・・・・・・・・
と考えてみるものの全く思いつかない。
出逢って数ヶ月とはいえ、彼氏彼女である。
それなのに彼女の欲しいものも思いつかないとは・・

キラはぬいぐるみをあげたといっていたがそれをカガリにあげようとは思えない・・・
ぬいぐるみを喜ばないとか、似合わないと言うことではなく、自分が考えて決めたものをあげたい。
それだけはしっかり心に決めていた。


アスランは悩む日々が続いていた。
「カガリ、今日の数学当たるんじゃない?」
「え!?あ!今日は15日か!」
出席番号と日にちをかけて問題を当てる先生はどこにでも存在する。
数学の授業もそうだった。
ミリィに教えてもらって助かった。はっきりいって数学は苦手だ。

「なあアスラン、ここ教えてくれ!」
くるっと後ろの席へ向くとカガリは慌てたように言った。
アスランは「それが人に物を頼む言い方か?」と思ったがカガリだと可愛く感じてしまう。
アスランは微笑んで
「どこ?」
と優しく聞き返す。
そんないつもとあまりにも違うアスランの姿にクラスの女子は驚きを隠せなかった。
驚きだけでなく見惚れている人もかなりいたが・・・

「ここはこれを代入して」
アスランは分かりやすくカガリに教え始めた。
「うんうん」
カガリは理解しているのだろうか・・・・
なんだか、言ってることをそのまま書いてるだけの思えるんだが・・・
アスランは不安を感じた。
確かにカガリはアスランの言ったとおりペンを走らせている。
理解しながらというよりはただペンを走らせていた。
今はいいが、のちのち苦労するのはカガリだよな・・・
「カガリ・・・解き方わかってるのか?」
「全然」
心配して声をかけたアスランにカガリは平然と答える。
「・・・・・・・・・・」
「・・・なんだ?」
「ちゃんと解き方を理解しながらやらないと教えないぞ」
アスランはカガリを伏目がちに見ながら言った。
「わ・・わかったよ・・・」
カガリは教えてもらえなくなると困ると思い、アスランの意見をのんだ。
「ここは分かる?」
「んーここをYに置き換えて・・・」
「そうそう」
「ん?」
カガリはノートの上でペンを走らせては止まり走らせては止まりを繰り返す。
「これ代入」
アスランが軽くヒントを与える
「ああ そっか これは?」
「どれ?」
そういってアスランはカガリに顔を近づけノートを覗き込む。
そのとき、アスランの横髪にゴミがついてることにカガリは気づいた。
「アスラン」
そっとアスランの頬に左手を添えた。
「え!?」
いきなり触れたカガリの柔らかい感触にアスランは驚く。

「あ、ごめん ゴミついてたんだ」
そういって取ったごみをアスランに見せる。
そのとき、アスランにはゴミではなくカガリの細くて長い指を見ていた。

指・・・輪・・・?
ありきたりだと思う。
それに学生が指輪なんて早すぎるとかキザとか思われるかもしれない・・・
でも、今見たカガリの指に自分の買った指輪を飾りたい・・・
アスランはそう思った。



拍手2に続く




拍手ありがとうございます★