クリスマス物語2

「うわっキザ・・・」
キラはアスランを見ながら顔を歪ませた。
「お前・・俺がカガリに指輪をあげるのが気に入らないだけだろ」
「当たり〜」
アスランが今日は買い物に付き合ってくれと、珍しいことをいうから何かと思ったらカガリへのクリスマスプレゼントを買うらしい。
しかも”指輪”だ。
アスランは家庭教師のバイトをしたことがあるのでお金はそこそこあると思う。
まあ、問題はそこではなく、何で僕が付き合うのかということだ。
前にあげるものをアドバイスしたときは
「やっぱり自分で考える」
っていってたくせに何で今更・・・である。

好みを聞くならラクスのほうがいいんじゃないかと思ったが、アスランと3人でデートというのも気が進まない。
「キラにお願いしたいのはサイズなんだ」
何のサイズ?
指輪だから指?
誰の?僕の?
思わずキラは顔から血の気が引いた。
「や・・やめてよね・・・僕にはラクスが・・」
「・・・・・・・・バカか・・・・・カガリのサイズだよ」
アスランはため息混じりに言った。

「え?でも僕カガリのサイズなんて・・・」
キラはそうだよね・・っと安心したが自分はカガリの指のサイズを知らないことに気づく。
「お前の小指」
「僕の小指?」
「同じぐらいだったから・・・その・・カガリの薬指と・・・」
「へぇ!そんなに細いんだ!ってアスラン薬指!?」
それは当然・・だ。
このアスランが指輪を買うのだ薬指用を買うのは当然だろう。
しかし、カガリの片割れとしては複雑な思いだった。
「っていうか、僕の指の太さなんで知ってるの・・・」
「生徒会室で寝てたから」
そういうアスランの目は少し・・怖かった・・。
「分かったよ・・・早く行こ・・」
それ以上突っ込まれると面倒な為、キラは当初の目的を早く済まそうとアスランに言った。

宝石店に男2人で入る。
はっきり言って恥ずかしかった!
アスランはしばらくショーケースに並ぶ色とりどりの指輪を見ていたが、
ある場所でぴたりと足が止まった。
しばらくするとうれしそうにその指輪を店員に指差していた。

その後僕は呼ばれ、小指のサイズを測られた。

アスランが手続きをしている間、アスランが選んだ指輪があったところのプラカードを見てみるとそこには
「情熱」「愛情」
と書いてあった。

ふむ。
情熱・・愛情・・・
今までのアスランからは連想できない言葉だ。
うれしそうに指輪を受け取るアスランを見て僕はアスランなら大丈夫かな・・
ってちょっとだけ思ってしまったんだ・・。
カガリは大事な妹だからね。
泣かせないでよ・・・
キラは心の中でアスランに言った。



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