第五話 その人の幸せはその人にしか計れないのですか?




キラとラクスは2人でどこかに向かっていた。
「今日は休ませてくれ」
アスランからそう連絡があったのだ。
何かあったんだろうな・・当然のことながら2人はそう感じた。

「・・・・ミリィさんが聞いたらしいのですが・・・」
「昨日の晩、アスランがその店に・・?」
「・・ええ・・・」
「それでミリィの体調は?」
「相変わらず塞ぎ込んでいらっしゃいます・・カガリさんのことは・・まだ知らないようですわね・・」
ミリィは自分を責め、まだ立ち直れないでいたのだ。
カガリのこと・・それはもちろんあのカガリの存在だ。
小さく噂は始まっている。
アスランが女性と一緒だと・・蜜色の髪の女の子でカガリにそっくりだ。似た子を見つけてきたのではないか・・
そういう噂が流れ始めていた。
「それにしても何の用があったんだろうね?」
「お一人で入っていくのを見たらしいですわ。ミリィさんのお父様らしいのですが・・・」
新しくできた店にアスランがそんな夜中に行くなんてことありえない。
僕の知っているアスランは・・・・

キラはアスランと出会ったときのことを・・記憶を思い浮かべた。

僕達は両親に結婚を反対され駆け落ちをしたんだ。
もちろん頼る場所も人も何もない。ただ、逃げるようにして遠くへ走った。

「キラ・・・」
「大丈夫だよラクス。僕が何とかするから・・・君にこんなことを背負わせたんだ・・僕が・・・」
僕らはどことも知れない街に着いた。
早朝だったせいか、人はいるものの日中の活気は見られない。
少し安堵した。
追われる立場だと人がたくさんいるだけで気を張ってしまう。
休む場所も何もない僕らにそれはかなりの苦痛だった。
「ラクス・・・とりあえずどこか影を探して・・」
そうラクスに問いかけた瞬間、桃色の髪が宙に舞った。
「ラクス!?」
ラクスは疲労からか倒れてしまったのだ。
「・・ラクス!!!」
僕のせいだ!!僕が無理させたから・・・
キラはラクスを抱きしめどうすればいいのか分からず途方にくれる。


こんな知らない街で僕はどうすればいいんだろう・・とにかく誰かに頼んで・・・
そうは思うものの、若い2人がこんな時間にこんな場所にいる。
それは誰の目から見ても『事情もち』だった。

「とにかく・・影に・・・」
キラは焦る心を抑えながらラクスを抱き上げる、と、
「アスランこっちだ!!!」
という声が聞こえてきた。
思わず顔を上げるとそこには走りながら僕らぬ向かってくる人影が見えた。

「大丈夫か!」
少女は僕達に駆け寄るとひざ付き心配そうにラクスの顔色を見た。
「とにかく店に運ぶんだ・・・」
「うん!」
僕はそれを意識の中で聞いた。
体は精神によって動き、ラクスを彼に渡す。
ああ・・・ラクスは大丈夫だ・・
その瞬間、精神はぷっつりと途絶えた。
「アスラン!!」
ただ、少女の声が最後に聞こえた気がした。




カッカッカッカッ・・・
規則正しい音。それは心臓の音と似ていてなんだか落ち着く。
カッカッカッカッ・・・
この音はなんだろう?
心臓じゃない・・・じゃあ?
そこで僕の意識は戻った。
見たことのない天井。
天井なんて見たのどれぐらいぶりだろう。
ラクスと僕、その身だけで飛び出して・・・結局なにができるんだろう?
ラクスを両親から引き離して、それを埋める力すら僕にはない。
ラクス・・そうだ・・・ラクスはどうしたんだろう・・・

「・・ラクス!!」
キラは飛び起きた。
そうだ!ラクスが倒れて僕は!!

「大丈夫、隣で寝てるから静かにしてろよ」
聞き覚えのある声だった。そう、確か・・・
キラは声の主を探した。
するとそこには蜜色の髪を揺らし歩いてくる少女がいた。

「気分はどうだ?」
「え・・あ・・・君が助けてくれたの?」
「助けたってことじゃない。倒れてたら放って置けるわけないだろ」
少女は僕にびしゃんと何かを投げつけると何故か睨みをきかせていた。
それはおでこに投げえつけられ、キラはそっとそれが何か触ってみる。

「・・タオル・・・」
ひんやりしていて気持ちの良いタオル。
「ラクスっていうのかあの子」
「・・うん・・・」
キラは手にしたタオルを膝へとおろす。
「してろ」
それを奪い取ったカガリは再びキラのおでこにそれを投げつける。
「お前は?」
「・・・キラ・・・」
「キラ、分かってると思うけど、ラクスは相当疲労が溜まってるみたいだぞ。お医者様がそういってた」
「医者!?」
キラはその言葉に慌てる。
だって、僕はお金なんて・・・本当に少ししか・・
「・・・お金はいい。それより、お前もかなり疲れてる。寝てろ、旨いもの作ってきてやるから」
カガリは相変わらず怒った口調と顔でそういって部屋を出た。




「んー・・・」
アスランがルーペを覗き込んでいると大きな足音が聞こえその手を止める。
「どうしたカガリ?」
キィ・・と椅子を回しアスランは苦笑しながらカガリを見た。
「何であんなになるまで我慢してたんだ!2人ともぼろぼろじゃないか!」
カガリはどすどすと歩く。
「まぁいろいろあるんだろ彼らにも・・」
「・・それはそうだろうけど・・・」
あんな時間にあんな場所。逃げるようにして歩いていた2人を見たときは訳ありだな・・と思った。
しばらく見ていると女の人がいきなり倒れて・・顔色もひどく真っ青だった。
とにかく何とかしないと・・と朝早くから仕事に出ていたアスランを呼びに行った。
「でもよかった・・・アスランと一緒に仕事場に来てなかったら気づかないところだった!」

「でも驚いたよ、カガリが真っ青な顔して飛び込んできたときは」
心臓が止まるかと思った。
カガリに何かあったのかと思って・・・。
「驚かしてすまない・・」
「カガリ」
アスランが手を差し出すとカガリは惹かれるようにして体をアスランに向ける。
ぽす・・・っとカガリの体はアスランに落ちていった。
「あの2人をどうするつもりだ?」
「・・・・・・」
耳元でアスランの声が聞こえ、カガリは小さく息を吐く。
「まぁ・・何とかしてあげたいって考えてるんだろうけど・・」
「だって・・・あの様子じゃ行く場所も・・・帰る場所もないんじゃないか・・?」
アスランみたいに・・・苦しくて辛くて・・きっと・・


「わかってる。俺が何とかするからお前は心配するな」
アスランの大きな手がカガリの頭に2度ほど下ろされる。
「・・・ごめん・・・」
「なにが?」
「だって・・・」
「そんなカガリを俺は好きになったんだ。それに俺だって彼らを放っておけない」
そういって笑うアスランにカガリはうれしそうに微笑むと、
「なんか作ってくる!消化がいいものだよなやっぱ!」
そう言ってカラン・・と音を立て、店から出て行った。


さて・・・ アスランはそう思うと再び机へと向かった。
精神を集中させ、歯車を組み立てていく。


・・・・ラクス・・・・
キラはタオルを手にし、隣で眠るラクスを見る。
顔色は先ほどより幾分か良くなっているようだ。
カガリが乗せたのであろうラクスの額にあるタオルに触れる。
それは少しぬるくなっていたのでキラは自分のもっているタオルをそれと変えた。

あんなに顔色が悪くなっていたのに・・
僕は焦っていてそれを見過ごしたんだ。
1番守ってあげないといけない人を1番に考えなくてはいけなかったのに・・・

カチカチッカチ・・・
そのとき、先ほどとは違う音が耳に入ってくる。
先ほどの音、それに加えて他の音がしてくる。
なんだろう・・?
キラは立ち上がりそっと扉を引いた。

そこには1人の青年がいて、何かを一生懸命しているようだった。
助けてくれた・・そう、アスランという人なのだろう。
キラはお礼を言おうと彼に近づくが彼は僕に気づくことなく一心に・・時計を作っていた。

ああ・・この音は時計の音。
カチカチカチッカチ・・・
そのまばらででも1つ1つは規則正しく時を刻む音にキラは聞き入ってしまう。

カチカチッカチ・・
眠りを誘うような音・・心地良い音・・・

「・・・起きたのか?」
「っっ」
いきなり聞こえてきた声にキラは自分が目をつぶっていたことに気づき慌てて意識を戻した。
すると目の前にはさっきまで座っていた青年。
「あ・・すみません・・あの、助けてくださって・・」
キラは慌てて言葉を発するが、焦っているので自分が何を言っているのか認識できていない。
そんなキラを見てアスランは優しく微笑む。
「カガリは今食事を作りに行ってるよ。それまで寝ていた方がいい」
「え・・?」
「起きてたらカガリに角が生えるからな」
角・・・・
キラは先ほどの怒ったカガリを思い出しなるほどっと顔を緩ませる。

「でも・・もう本当に楽になったんで・・・久しぶりに布団で寝たから・・」
「野宿は辛いだろうな・・とくに女性には」
「・・・・・・」
キラはかくんと俯く。
「僕ら・・駆け落ちしたんです。ラクスには結婚が決まっていて・・でも離れることなんてできなかった・・・
何度も認めてもらおうと説得したんだけど聞いてももらえなくて・・・」

『こうなったら逃げるしかない!』
『でもキラ・・そんなこと・・・』
『君は明日結婚するんだ!それでもいいのか!?』
『・・・キラ・・私はキラと一緒にいたい・・・』

無理やり連れ出したようなものかもしれない。
ラクスはあのまま結婚していた方が幸せだったのだろうか・・。

こつん・・と額に何かを感じキラは顔を上げる。
「人の幸せは他の誰かが計れるものじゃない。本人が決めることだ」

アスランは僕を見ながらまじめにそう言った。
そのあと、僕はアスランの勧めで時計店で働くこととなった。
アスランのあの後姿、時計の音、すべてが僕に何かを教えてくれるようでそのことをすごくうれしく思った。

カガリもほんとにいい子で何の隔たりもなく僕らと接してくれた。
そのカガリが死んで僕もどれほど悲しかったか・・・
だけど・・僕は今のアスランも見ていられない。
やっぱりカガリは死んだんだ。誰も彼女の代わりなどなれない。

『人の幸せは他の誰かが計れるものじゃない。本人が決めることだ』
アスランの言葉は本当にその通りだと思った。
今だってそう思ってる。
でも、今のアスランが幸せだと、僕はどうしても思えない。
たとえ、本人が決めることであっても・・・



「ここ・・・」
たどり着いたのは小さな白い塗装の可愛らしいお店。
「何を売っているんでしょう?」
ラクスはその店を見ながらつぶやく。
扉には『OPEN』の札が掛かっているものの何を商品としているのか、それを指し示すものは何もなかった。
「とりあえず入ろっか」
ゴンッ
キラが扉に手を掛けると同時に扉は開き、キラの顔面にぶつかる。
「いっっ」
「キラ!!」
いきなりの衝撃にうずくまったキラにラクスが駆け寄る。
「わ・・す・・すみませんっっ」
聞こえたのは若い男の声。
お店の人だろうか・・・身なりはきっちりしていた。

「大丈夫ですか?」
「うん・・・てて・・・」
キラは顔を抑えながら立ち上がった。
「レイ、お客さん」
シンは店の中にそう声を掛けるとペコリと頭を下げてどこかに走っていった。

「いらっしゃいませ。何をお求めですか?」
中から現れたのは前に店に来たことのある・・・
「・・あ・・あなたレイさん・・ですよね」
「・・・・はい、先日は時計をありがとうございました」
レイは数秒して思い出したのかキラににそう返した。

「新しいお店ってここの事でしたのね」
ラクスはそっと中を覗き込む。
中はシンプルで・・・調度品が目に付くぐらいだった。
「どうぞ中へ」
レイにそう言われ、2人は中へと入る。
「・・まぁ、可愛らしいお人形」
入ると右側に赤ちゃんほどの大きさの人形が置いてあり、ラクスは自然とそちらに足を向かわせる。
「すごいですわね・・・まるで生きているみたい・・」
そっと触れるとそれからは人の温かみを感じ、ラクスは思わず手を引いた。

「あの、ここは何をメインに売ってらっしゃるのですか?」
入ってみてもこれといったものが見当たらずキラは聞いてみた。
「dollそれが私の店の商品です」
「・・・doll・・・」
ラクスはキラの腕をぎゅっと掴みながら先ほど触れた人形を見る。
「簡単に言えば人形ですよ。先ほど出て行った彼が作成しています」
「へぇ・・男の人が・・・」
「珍しいことではありません。美しいものに女性も男性も関係ありませんから」
レイは反対側にあるdollを手に取る。

「これは3年前にお亡くなりになったミス・カートン氏のdollです」
キラはその変な説明に眉をひそめる。

「亡くなったって・・・その人が持っていたdollってことですか・・?」

レイはにっこりと笑うだけで何も言わない。
この2人にdollは必要ないみたいですね・・・

レイはdollをすぐにもとの位置に戻した。
「あの・・僕ら買いに来たんじゃなくてお聞きしたいことがあって・・」
「なんでしょう?」
「昨日、アスランがここに来ましたよね?アスラン・ザラ、時計店で会った・・」
「はい。来られましたよ。dollをお買い上げいただいたのでそのことで少し」

「doll・・・を・・?」
アスランがこの人形を買ったのか?
あのカガリにだろうか・・?でもアスランもカガリも人形になんて興味ないはずだ・・
買ってあげるはずがない・・とまでは言わないけど・・・アスランの家にも店にもそんなものなかった・・・。
「それ以上は申し上げられません。買われた方のことですので」
レイは相変わらず笑みを絶やさない。

と、ラクスの自分の腕を掴む力が強くなったのを感じキラはラクスに目をやる。
「・・・ラクス・・・?」
ラクスは小さく震えていた。
「どうかされましたか?椅子を・・」
レイが椅子を進めようとしたがラクスはキラの袖を引っ張る。
「もう・・行きましょう・・キラ・・」
「え・・でも・・」
まだあまり話を聞いていない・・そう思ったがラクスは懇願するようにキラを見ていたため、なんだか心配になりキラはその店を後にした。



店が見えなくなるまでラクスはキラにしがみついたまま歩いていた。
「・・ラクス・・具合でも悪くなったの?」
ラクスの歩みがおさまり止まるとキラはラクスを覗き込んだ。
「私・・・怖い・・・」
「怖い?あのレイって人が?」
ぶんぶんとラクスは首を横に振る。
「あのdollという人形がです・・キラは気づきませんでした?あの人形・・ずっと私達を見ていたんです・・」
「・・・まぁ人形だからね。こっち向きにおいてたからでしょ?」
「違います!だってあの人形に触れたとき・・・」
あれは人に触れる感覚。人形というにはあまりにもリアルで暖かかった・・・。
背筋がぞっとする。
「考えすぎじゃない?人形が歩いたり話したりするわけないよ・・なかにはそういった人形もあるみたいだけどね」
「でも・・・っっ・・」
「・・ラクスも辛いんだよね、カガリもアスランもあんなことになって・・・」
違います。それは辛いことですがそれとこれとは違う・・。
ラクスは何で分かってくれないのかと、首を大きく振る。

「大丈夫・・僕が何とかするから・・」
キラの胸の中、ラクスの心は乱れていた。
あの人形が今でも見ているような気がしたのだ。




「・・・・新しい人生をやり直すのにこの街も嫌か・・」
レイは先ほどのdollに話しかける。
もちろんdollはなんの反応も示さない。

「あなたはかなり強欲な方だったみたいですからね・・・この街では不服でしょう・・ですが新たに生きることを許されたのです。
違う生き方をされてはいかがですか?」
外からは鳥のさえずりが聞こえてくる。
レイは問いかけたまま椅子に腰掛けテーブルを指で叩いていた。

カラン・・・
「レイ・・残念・・」
シンががっくりした表情で現れる。
「あれ?お客さんもう帰ったのか?」
「ああ・・・」
シンはレイの傍にいるdollを見ると大きくため息をついた。
「こいつほんとに生きる気あんのか?どの街もいやだいやだって・・・」
シンはそう言うとレイの隣にどかりと座る。
「お前の方は?」
「んー・・この街は平和だな・・・確かにここに来てすぐあんなことがあったけど、他に比べればずっと幸せだ」
シンは頬杖をつきはぁっとため息をつく。
狙っていたものが手に入らなかったらしい。
「でも何もなければオレ達の仕事はないに等しい。だからお前もさっさと売られろよ!」
シンはdollに顔を近づけ嫌味たっぷりに言った。
dollは相変わらず何の反応も示さない。
「殺人なんてないほうがいいんだがな・・」
「でもオレたちはそんな世界ありえないということもこの目で見てきてる・・長い間・・」
「・・・だから俺達は死ねないわけだ」
レイの言葉にシンは苦笑しながら頷いた。




暗い・・暗い・・・ここはどこ?
私はどこにあるの?
真っ暗で何も見えない・・・見えるのはただ・・・愛しい人・・。
蜜色の髪をなびかせ、うれしそうに笑ってる・・・
あれ?アスランがその隣で笑ってる・・・なんで?私はここよ・・・あなたの愛する人はここにいるのに・・・
でもアスランお隣にいるのは私。・・カガリ・ユラ。私。
なんだ・・なら間違ってない・・・私とアスランがうれしそうに笑ってるんだ。
だけど・・どうしてこんなに胸が苦しいんだろう・・?
あれは私のはずなのに・・私なのにどうしてこんなに苦しいの・・・?

「っ・・・くるし・・・・」
「カガリ・・大丈夫か・・」
優しい声・・アスランだ・・・
カガリはそっと瞳を開く。
「・・・アスラン・・・・」
カガリはアスランを見ると安堵したように微笑んだ。
「うなされてた・・気分は・・?」
「ん・・平気だ・・・」

ほら、アスランは私の傍にいて心配してくれてる・・何も心配いらないんだ・・・。
カガリはアスランの手に自分の手を絡ませると本当にうれしそうに笑った。

「今日は仕事休んだから1日一緒にいられる・・」
「ほんとか!?」
「ああ・・」
「やった!アスランとずっと一緒だ!!」
カガリは汗ばんだ体でアスランに抱きついた。
カガリ・・・
アスランは一瞬体を強張らせる。
だがその理由については気づかないフリをした。

ただ・・カガリは昨日の事を覚えていない。
それには安堵の息を吐いた。




あとがき
アスランは分かってるんだけど、分かってない振りして、でも分かってるんですよ。
ってな感じでアスラン葛藤しております。
分かっているけど分かってない、でも分かってることは嘘で信じたい気持ちが大きくて、でも分かってるんです。
意味不明でしょ?
まさにアスランはそんな感じ。