”愛の告白”
それは自分の思いを相手に伝える方法だ。
人生の中でそんなにあることではない。
アスランの場合、この先あるのだろうか・・?とも思えるほどの大きな出来事だ。
「・・・・はぁ・・・」
翌朝、アスランは自室でため息をついていた。
カガリを見てるだけで心が詰まる。
誰にでも気さくで優しい彼女。だからこそ毎日が不安でたまらない。
いっそこの思いを打ち明ければ楽になるのだろうか?
そうは思いつつもそれによってカガリとの関係がギクシャクするのは好ましくない。
いや、それは建て前であって実際は怖いだけなのだ。
どう考えてもカガリが自分のことを特別に思ってくれてるとは思えない。
というより男だとも思ってないのかもしれない。
”大切なキラの親友”それがぴったり来るような気がする。
そんなことを考えながら時計を見ると7時30分を回っていた。
今日は生徒会で使う資料を探すためいつもより早く学校へ行くことにしていた。
青空学園は県内1の進学校の為、書物などは普通の学校の5倍は貯蔵している。
その中の8割は通っている生徒の親からの寄付だ。
悲しいが、そんなことをして名を上げようとする親もいる。
しかしながら書物が多いことはアスランにとって良いことである。
もともと人とあまり関らない彼の唯一の楽しみは読書だったりするのだ。
ともあれ、まだ誰も来ていない学校に足を踏み入れる。
職員室に行くと数人の先生は来ているようだ。
「おはようございます」と挨拶し、図書室の鍵を取ろうとしたが鍵がみあたらない。
こんな時間に誰かいるのか?と疑問に思いつつ図書室へ向かった。
輝く星〜つのる思い〜
カラ・・・・
図書室の鍵はやはり開いていた。
しかし、誰かいるようには見えない。
鍵をかけ忘れたんだろう・・
そんなことを考えながら目的の資料のある場所へと足を向けたそのとき
キラリと輝く見覚えのある蜜色が見えた。
え?まさか!?
思いもかけないその光景にアスランは眼を疑う。
しかし、そこには机に向かって何かを一生懸命書いているカガリの姿があった。
「カガリ・・・」
思わず声をかけていた。
自分だけだと思っていた部屋に違う声が響く。
それに驚いたカガリは肩をビクッと震わせた。
そのあと恐る恐るアスランのほうへ振り向く。
「アスラン!!」
その声の持ち主がアスランだと分かるとカガリは驚きながらもうれしそうにそう言った。
そんな彼女を愛しく思いながら更に声をかける。
「何してるんだ?こんな朝早くに・・キラも一緒か?」
アスランは気になることを一気にカガリに尋ねた。
「いや・・・キラはいない。私1人で来たんだ」
そのちょっと困ったようなカガリの顔に「何か隠してる」と感じたアスランは先ほどまで必死に食いついていた
机の上のものを覗き込む。
「勉強・・してたのか」
机の上にあったのは参考書と思われる本や教科書、いろんな記号が書かれては消された後があるノートがあった。
「あ・・ああ・・」
カガリは少し困ったように答えた。
「何で家でやらないんだ?何か参考書が必要なら貸し出しも・・・」
そういいながらカガリを見ると困ったような照れたような顔をしている。
「いや、実は・・その勉強についていけなくて・・」
しかしだからといってこんな朝早くから図書室ですることはないだろう。家ですれば分からないところはキラに聞けるのだし。
アスランの表情から何を考えているのか分かったカガリは「仕方ない」という顔をして話し始めた。
「キラには言ってないんだ。勉強についていけないことも、朝ここで勉強してることも。
運動部の練習に混ぜてもらってるって言って出てきてるんだ」
カガリの言葉に何故隠さなければならないのかアスランは分からなかった。
「心配かけたくないんだ。せっかく一緒の学校に行けるようになって・・ほんとにあいつも喜んでくれたんだ
私だってうれしい。でも、あまりに前の学校とはレベルが違って・・・編入試験は何とかなったんだけど、いざ通ってみると
レベルの違いがけっこうすごくてさ・・・」
そういいながら悲しそうな顔をするカガリをアスランはじっと見ていた。
そして何かを決意したように話し出した。
「俺が勉強見てやるよ」
その言葉にカガリはうれしそうな顔をしたがすぐすまなそうな顔になる。
「でも、迷惑かけられない・・・」
「迷惑なんかじゃないさ 見てあげたい」
そう言ってアスランは微笑んだ。
その微笑みはアスランFANの子達が見たら倒れそうなほどかっこいいものだった。
うわ・・・・・
カガリは思わず頬を染めた。カガリも例外ではなかったらしい。
「あ・・・ありがとな!」
それがばれないように慌てて言葉を返す。
????????なんだ???今、アスランがかっこよかったぞ・・???
「じゃ勉強しよっか」
カタンとアスランは隣の椅子に座った。
「そういえばアスランは何しにきたんだ?」
いつも何時に登校してるかは知らないが(カガリより早いのは確か)いくらなんでも早すぎる時間だ。
「ちょっと資料を探しにね
でもすぐ見つかるからいいよ」
はっきり言って、カガリと一緒の時間ができたことのほうがうれしくて、資料なんかどうでもよくなっていた。
それから毎日、朝7時30分に家を出て、図書室でカガリと勉強するようになった。
朝、授業中、生徒会、ずっとカガリと一緒にいられることにアスランはこの上ない喜びを感じていた。
アスランはその日もいつもと同じように家を出た。
いつもは自分が先に図書室の鍵を取り準備をしているのだが、今日は鍵がない。
ということはカガリが先に来ているのだろうか?
この間「私が教えてもらってるのにアスランに先に来てもらうのは悪い気がする」などと言っていたので
今日は早めに家を出たのだろう。
図書室のドアを開け、カガリがいるであろう場所を覗き込む。
そこにカガリはいた。が、机にうつぶせている。
・・・寝てるのか?
音を立てないように近づきながらカガリの顔を覗き込む。
すると、規則正しい寝息が聞こえた。
具合が悪いわけではなさそうだ。
アスランはほっと息をついた。
・・・起きる気配がない。
ここ数日、毎日朝早くから勉強してるんだ。疲れるよなぁ・・
カガリに勉強を教えてみてわかったこと。それはカガリは意外に勉強ができる。
できないと思っていたわけではないが、確かに最初は分からないところが多かった。
しかし、物覚えは速い。1度教えてあげると次の日には完璧にできるようになっていた。
ひょっとしたら夜も勉強しているのかもしれない・・・。
アスランは無意識に気持ち良さそうに眠るカガリの髪を撫でる。
「・・ん・・アスラ・・ァ・・ン」
寝言だろう。にや〜としながらアスランの名前を呼んだ。
その瞬間、アスランの中に1つの感情がわいた。
それはアスラン自身が止めようとも止められない程勢いづいた思いだった。
と、アスランはカガリに顔を近づける。
カガリの頬にだんだんと顔が近づく。
そして軽く唇がカガリの頬に当たったとき
うわっっ
アスランは飛ぶようにしてカガリから離れた。
俺・・・今・・・・っっ
”キス”・・を!!!
アスランは自分が起こした行動に焦るどころかパニックになっていた。
どうしたら・・・と、とりあえずここからでよう!
そのままカガリの前にいることなど出来るはずもなくアスランは急いでドアへと向かった。
アスランがドアから出て行くと
むく
っとカガリが起き上がった。
「〜〜〜〜〜〜〜〜っっ」
カガリは手を口にあて真っ赤な顔をしている。
実は寝言を言った後、微かに意識が戻っていたのだ。
うっすら誰かの気配を感じた。するとその気配の主は自分に近づき・・・・
そこまで思い出しカガリは更に真っ赤になる。
今のは今のはっ
どう考えてもアスランだよな・・アスラン・・・・
アスランって・・私のことが好きなのか?いや・・そんなわけないよな・・・
でも、好きでもないのにあんなこと・・・。
そうだ・・・アスランは男なんだ・・・・
いや、女だとか思っていたわけではないのだが・・・基本的にカガリは異性というものを意識せず普段過ごしているため
そんな考えが頭に浮かぶのだった
その頃アスランは生徒会室にいた。
とにかくどこでもいいから落ち着ける場所へ行こう、そう思ってたどりついたのがココだった。
俺はいったいなんなんだ・・・なんであんなこと・・・
何で?そんなこと誰に聞かないでも分かる・・・
可愛かったからだ・・・カガリが可愛くて愛しくて・・・
「だからに決まってるだろ!!」
頭の中では押さえきれず大きな声で怒鳴る。
アスランはガタンっと椅子に荒く腰掛けた。
「ダメだ・・・このままじゃ俺・・・何するか分からないじゃないか・・・」
自分がこんなに欲深い人間だとは思わなかった。
いや、カガリだから欲深くなっているのかもしれない・・好きで・・大事で・・・大切にしたい・・・なのに・・・
このままでいいのだろうか・・?
ただの友達で・・・
「アスラン」
そのとき聞き覚えのある声がした。
「キラ!?」
まだキラが登校するには早い時間だ。何故こんな時間に?
そんな驚いた顔をしているアスランをよそにキラは話し始めた。
「最近・・・カガリが1人で学校に行くようになったんだ 部活っていってたんだけど、どうも様子がおかしくて」
「ほら カガリって嘘つけない性格じゃない?」
キラは何が言いたいのだろう・・・アスランはキラのいつもと違う話し方に疑問を感じていた。
「それでカガリが学校へ行った後ついていったことがあるんだ」
「そしたらちゃんと学校に行ってたんだ・・なんだぁって思ったら部室じゃなくて図書室に行ってさ・・」
「1人で勉強してた」
キラは寂しそうにそう言った。
「キラ・・・・」
キラが何を言おうとしているのかは分からなかった・・・でも、キラも俺もカガリに対する思いは同じだ。
悲しませたくない。力になってやりたい。
「声かけれなかったよ・・・どう考えたってばれたくないでから秘密にしてるんだし」
アスランはキラになんて言葉をかけたらいいか分からなかった。
キラとカガリは俺なんかよりも何倍も強くつながっている。だからこそ言えないこともあるのだ。
「でもね」
先ほどまで下を向いたまま話していたキラがふっとアスランのほうを見た。
「最近、カガリが楽しそうなんだ」
キラのその言葉とうれしそうな顔にアスランは驚いた。
「家に帰っても勉強しててさ アスランに聞いたんだって 教え方上手いんだって」
「ほんとにうれしそうに言うんだ」
キラのその言葉にカガリの笑顔が頭をよぎる。
「ほんとはちょっと寂しいんだ。僕。でも、あんなカガリのうれしそうな顔見てるとそんなのどっかいっちゃてさ・・・」
「ありがとう アスラン」
キラはアスランを真っ直ぐ見据えてそういった。
「アスラン カガリのこと好きだよね?」
アスランは眉をひそめる。
なぜ疑問系なんだろう?前にそのことは話したはずだ・・・
でも、今のキラはそれに対する答えを待っているようだ。
「ああ、好きだ」
それに答えるかのようにアスランはキラを真っ直ぐ見て言った。
「話しておきたいことがあるんだ。カガリは自分からは言わないだろうから」
キラはアスランの前ある椅子に座ると落ち着くようにため息をつき話し始めた。
「カガリってモテるんだよね」
いきなりのその言葉にアスランは不安がよぎる。
「前の学校でもさ、けっこう、モテてて告白とかもされたみたいなんだ」
「でも、カガリはとりあえずってことで付き合うような子じゃないでしょ、だから全員断ってたんだけど、
それに対して怒った男がいたらしいんだよね」
「友達からなんだからいいだろう。何様のつもりだよって」
「まあ、他の人から見たらそいつはカガリのことほんとに好きじゃなかったんだと思うんだけど、言われた本人は
そんな簡単に割り切れないよね・・。
自分は間違ってるのかって特別な感情がなくても断るということはいけないことなんだろうか
カガリはそんな風に考えちゃったらしいんだ」
「それからは告白されるたびにはっきり断れなくて、どうしていいか分からなくなるみたいなんだ・・・」
ああ・・なるほど。アスランの中で疑問に思っていたことがはっきりした。
カガリは優しすぎるんだ。だからはっきり断った。でもそれを否定する人が現れてカガリは自分が正しいのか
分からなくなってしまったんだ・・・。
とくに恋をしたことがない人間にとってそれは頭の中をぐるぐる回るハツカネズミのような問題だ。
まさにカガリに対する自分がそうだったように・・・・
「だから・・・」
「分かってるよ。俺はカガリが大事だ。どんなカガリでも・・だ」
キラが言いたかったことは理解したつもりだ。
「困らせるようなことはしないよ」
そうだ告白なんてしてはいけない・・・あんなことをしておいて・・・
アスランは先ほど自分がしたことを思い出す。
「違うよ」
キラはそんなアスランを見てため息をつく。
「言ったでしょ、カガリがすごく楽しそうだって」
何でこの男は恋に関してはこんなに鈍感なんだろう・・・。
散々カガリが君に対していい感情があるって言ってるのに・・・
確かにカガリは誰にでも優しいし、気軽に話してるけど、
僕だって恋する女の子ぐらい見てて分かるよ・・・カガリは自覚してないみたいだけどね。
「ま、爆発する前に何とかした方がいいってこと」
キラはニッと笑いながら人差し指を立てていった。
爆発・・・?誰が・・え・・?
「キ・・・キラ・・?」
「さすがに何も言わないうちからはよくないと思うんだよね〜」
「お前まさか・・」
「えへへ」
見られてた!!!!!
アスランは恥ずかしさと情けなさでほんとうに・・・泣きたい気持ちだった。
ザラは無意識で何でもできるを推奨(笑)
次でとりあえずひと段落です〜★
ほんとに長くなって・・・。
もっと絡ませたいところはあったのですが、なかなか・・・
これ以上延ばしてもいけないと思い進んでおります