どうしたらいいんだろう・・・?
アスランは私が起きてたってこと知らないんだよな・・・
じゃあ、何もなかったようにしてればいいのか?
何もなかった・・・?
そのときカガリの胸は急に寂しくなった。
キスじゃなかったのかもしれない・・・
そう思い込もうとしたがどう考えてもあれはキスだった。
自分はアスランのことをどう思っているのだろう。
恋愛というものを体験したことがないのでカガリには何がどう違うのか分からなかった。
前に告白してきた人に「友達からなんだからいいだろう。何様のつもりだよ」といわれた事がある。
友達から・・・それは友達から恋へ進んでいくということではないのか?
ならその人に恋をしていない自分はそれを受け入れてはいけないと思う。
だが・・・恋というものがどんなものか分からない自分にとってそれが正しいのかも分からなかった。
輝く星〜響き合う音〜
「かっこいい人だったらとりあえず付き合っちゃうかも」
以前、話の成りゆきで告白の話になったときミリィはそう言った。
「でも、特別な感情はないんだろ?」
「ないけど、付き合ってから始まる恋もあると思うわよ」
この言葉に衝撃を受けた。
それからも何度か告白されて・・そのたびにどうしていいか分からない気持ちは大きくなった。
「このままではいけない」そう思うものの断わりきれない自分がいた・・。
そしてあの日。
隣のクラスの男子に呼び出された。
どうしよう・・・そんな気持ちのまま呼び出された場所へ向かった。
「好きです」その告白に私は困り果てていた。
まだ解決法も見つかっていないのにコレだ・・・どうしてこんな自分が告白なんてされるのだろう・・・
そんなことを思いながら曖昧な返事をしていると、その男はどんどん話を進めていく。
はっきり言って、遊びにいく気になどなれない。
恋愛を抜きにしてなら全然かまわないのだが、どう考えてもそうではない。
いいかげん、自分の不甲斐なさに怒りを通り越して泣きたい気持ちになったときアスランの声がした。
「悪いが カガリはお前と遊びに行くつもりはない」
顔を上げるとそこには私を庇うようにして立っているアスランがいた。
アスランの背中に安心感を抱いている自分がいる。
アスランが来てくれた・・・庇ってくれている。
そんなアスランを見てかぁ・・っと顔が赤くなるのを感じた。
なんでか分からないけど、恥ずかしくて顔が上げられない。
そんな時
「それともアイツのことが好きだったのか?」
というアスランの問いかけが聞こえた。
「ちがっっ」
顔を上げて私は否定した。
好きではない・・・恋ではない・・・
いくら私でも知らない人に恋などしない。
そう思いアスランを見上げると、アスランの表情は恐ろしく鋭いものだった。
あのとき、アスランは怒っていた。
生徒会室に向かう中、アスランの背中を見ながら寂しさが募った。
私・・何か悪いことしたのかな?
はっきり言わない私にイライラしたのだろうか・・・
アスランの笑顔が見たい・・・笑ってほしい・・・。
「カガリ・・・今度困ったことがあったら俺に言えよ」
そんなことを考えていたカガリにアスランは笑顔で言った。
その顔を見たとき、
ああ、幸せだ。
カガリは心からそう思った。
あの気持ちはなんだったのだろう・・・
いまだ図書室で悩みふけっているカガリは考える。
笑顔を見るとドキドキして
姿が見えるとうれしくて
あの背中が大好きで・・・
大好きで・・・?
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
カガリは思わず叫んでいた。
「ひょっとしてこれを恋というんじゃないか?」
カガリは理解したのかしてないのか何がどうなってるのか、本当に混乱と焦りと恥ずかしさで机の上のものを
バシバシ叩いていた。
その頃、アスランはというと・・・生徒会室で物思いにふけっていた。
キラは「じゃ、がんばってね」と言い残し生徒会室を後にしていた。
俺が告白かぁ・・・
確かにこのままだとカガリに何をしてしまうかわからない。
それならいっそ、フラれたほうがマシなのかもな・・・。
アスランはカガリに思いを告げようと決意したのだった。
とりあえず、朝、図書室に来なかったことを不審に思っているであろうカガリに謝らなければ。
時計は8時40分を回っていた。
もう教室に戻ってるだろう・・・
そう思い、生徒会室を後にした。
カガリは教室に戻っていた。
「カガリ、今朝は」
行けなくて悪かった。と言おうとしたがアスランの顔を見るなりカガリはスーパーダッシュでミリィのところへ行った。
そしてアスランがいることは知らないと言わんばかりに大きな声でミリィと話し始める。
「・・・カガリ・・?」
しかしその声はカガリには届かない。
アスランはショックを隠せない・・・
どう見ても・・・避けられてるんですけど・・・
その後もアスランは声をかけようと何度もチャレンジしたのだがその度に「キラ!」とか「ラクストイレ行こ!」
などと言ってアスランの前から去っていくのだった。
さすがに授業中は逃げられないが、真面目なアスランは声がかけられない。
それにみんなに話を聞かれてしまうのだから・・・
まあ、生徒会があるからそこで会えるか・・・
もうすぐ文化祭ということで毎日のように生徒会業務は忙しかった。
機械の手配やら、許可、申請。なんでこんなことまで・・・という仕事もあったりする。
イザークなんか叫ぶ暇もないようだ。(静かになっていいが)
がしかし、アスランの予想はすぐに崩れ去った。
「カガリならどうしてもはずせない用があるからって先に帰ったよ」
キラは苦笑いをした。
「嘘だろうけどね」キラの顔からその言葉が読み取れる。
アスランは爆発しそうだった。
理由が分からない。なぜそうまでして俺に会いたくないんだ!?
そのときアスランの頭に1つの考えがよぎる。
・・・まさか・・・気づいてた・・・のか・・・?
朝の自分がした行為を思いだす。
「キラ・・ッ」
アスランは勢いよく振り向く。
キラはアスランのその表情に何が言いたいのかすぐ分かった。
「ラクス」
横にいるラクスを見る。
「そうですわね・・・今日は簡単な申請の書類だけですので私たちだけでも大丈夫だと思いますわ」
そう言ってキラとアスランに微笑みかけた。
正直、アスランがいないと仕事のはかどりは悪いが、アスランにとって今がどれほど大切な時かラクスも分かっていた。
「すまない。明日遅れた分は取り戻す」
そう言いながらアスランはすでに走り出していた。
「今日、母さん遅くなるんだって」
アスランに聞こえるか聞こえないかの声でキラは言った。
「・・・寂しいなぁ・・・」
キラはポツリとつぶやく。
「あら?私では物足りませんか?」
ラクスは冗談っぽく言った。
「そんなわけないでしょ」
「分かっていますわ」
2人は見つめあい、互いに微笑みかけた。
そんな雰囲気をぶち壊すかのように
「アスランはどうした?」
イザークのご登場だ。
「あ、今日は大事な用事があるみたいで」
その言葉を聞いたイザークはみるみる顔を真っ赤にして
「アイツめ〜〜〜!!」
と叫んだ。
その声は廊下中にひびいていた。
カガリはとぼとぼと自宅に向かっていた。
よくないよなぁ・・・
今忙しい時期なのに嘘ついて生徒会サボって・・・。
アスラン・・・怒ってるかな・・・。
だけど、アスランと顔合わせられないんだ!!
だって・・・は・・恥ずかしくて・・・。
「カガリ!!!!」
そのときカガリの耳に今まさに思っていた人の声が響く。
アスラン!?
え?アスランは今、生徒会で・・・・
カガリはアスランの声で歩みを止めていた。
後ろから誰かが近づいてくる気配がする。
「カガリ・・・」
アスランがもう一度カガリの名を呼ぶ。
アスランだ!!!
素直に振り返ればいいのだがカガリは体が固まって動けない。
アスランの手がカガリの肩に触れようとしたそのとき
ダッッッッ
カガリは走り出していた。
「え?ちょっ・・カガリ!?」
後ろからアスランの慌てた声が聞こえる。でも、足は止まらなかった。
「そういうこと」
アスランはむっとしながらカガリの背中を見つめた後、走り出した。
「へ??」
まさか追ってくるとは思わなかった為、カガリは一瞬驚いたが追いつかれまいと更にスピードアップした。
運動神経がいいって言っても男の俺にかなうわけがないだろ
アスランはそんなことを考えながらカガリにどんどん近づいていく。
「ひぃっ」
どんどん近づいてくるアスランにカガリはとにかく走ることしかできなかった。
と、カガリの家が見えた。
家に入ってしまえばっっ
カガリは最後の力を振り絞って家の前にたどりつく。
ガキン
思い切りドアノブを回したが鍵がかかっているらしくピクリともしない。
鍵!!
と思った瞬間にカガリに影がかかる。
右側にはアスランと思われる手・・・
左側にもアスランと思われる手・・・・
そして上から降り注ぐアスランの声
「捕まえた、もう逃げられないよ」
カガリは恐る恐るアスランの方を見上げた。
そこには優しく微笑むアスランがいた。
カガリの大好きな笑顔をしたアスランだ。
「話があるんだ いいよね」
「ダメ」とは言えない、いや言わせない言葉だ。
「・・・・・鍵あけるから待て」
動揺を隠しながらカガリはカバンの中に手をいれた。
これでちゃんと話ができる・・・
アスランは安堵の息をついた、と同時に今度は緊張で胸が痛い。
家に入るとカガリの部屋に通された。
カガリはベッドの上に座り、アスランはテーブルの横に座った。
カガリはアスランと眼を合わせようとしない。
女の子の部屋にこうも簡単に入っていいのだろうか・・とも思ったが今はそれより緊張の方が勝っている。
「今朝・・・・」
アスランが話し始めるとカガリの肩がビクンと跳ねた。
その態度に「ああやっぱり」とアスランは思った。
「起きてたんだ?」
「・・・・・・・うん」
しばらく間を開けてカガリが答える。
「すまなかった・・・」
「・・・・・・・・・」
カガリは何も答えない。
「でも、いい加減な気持ちであんなことしたんじゃないんだ・・・いや・・そもそもしてはいけないんだけど・・
寝てるカガリを見たら・・・なんていうか・・・可愛くて・・・
だからって勝手にすることではないよな。ほんとすまない」
アスランにしては多弁だ。
カガリはそんなアスランを見ていると笑いたくなってしまった。
「それであんなことしておいていまさら言うのも悪い気がするんだけど・・・」
先ほどの困ったような表情から真剣な顔に変わる。
「俺はカガリが好きだ」
アスランはカガリを見つめている。
カガリはアスランから眼が離せないでいる。
2人はまるで時が止まったのではないかという錯覚を感じていた。
「俺・・人を好きになったのって初めてで、はっきり言ってどうしたらいいか分からないんだ
でも、カガリのことが大好きで、大事にしたくて・・・
傍にいたい」
アスランは思いを伝えながら一言一言がとても長く感じた。
いま、どのぐらいの時間がたってるのだろう・・・
10分?30分?1時間?それ程にアスランは緊張していた。
ずっと見つめあったままのカガリはボーっとアスランを見ている。
「カ・・」
アスランが言い終えた後も何も発しないカガリにアスランが声をかけようとしたとき
「私はっっ」
カガリが声を上げた。
「今まで恋っていうのをしたことなくて・・・人を好きになるってどんなものなのか分からなくて・・
キ・・キラもラクスもアスランも好きだ・・・」
ああ、断られる・・・
アスランの胸にその言葉がよぎった。
でも、これでいいんだ。何も言わないで1人で悩んでいるより・・・カガリに苦しい思いはさせてしまったが
これで俺は・・・・諦められる・・・
諦める?
カガリを好きでなくなる?
いや、俺はカガリが好きだ・・・
アスランが心の中で葛藤している間、カガリはそんなアスランに気づくはずもなく、1人下を向いて何か言葉を探している。
「だから・・・」
「せめて・・・君を好きでいていいか?」
何かを決心したようにカガリが顔を上げると、それを遮るかのようにアスランが言葉を発した。
「え?」
「今はまだ君の事を諦められない・・・だから・・・」
アスランは少し悲しそうにそういった。
それを聞いたカガリは上げた顔をまた下に下げ、小さな声で何かを言った。
「え?」
カガリのその言葉が聞き取れなかったアスランは聞き返す。
「ふざけるな!!!」
声が小さかったたため少し顔をカガリに近づけたアスランにカガリは大声で怒鳴った。
あまりの声の大きさと今までのシュチュエーションに不釣合いなその言葉にアスランは眼を大きくして驚いている。
「あ、諦めるって・・・誰が嫌だって言った!?」
アスランはカガリの言葉に更に眼を大きくした。
「〜〜〜〜私も・・私も・・アスランが好き・・なんだ・・・多分・・・」
カガリは顔を真っ赤にしながらアスランを見てそう言った。
「多分?」
アスランはカガリの言葉に喜びが湧き出していたが最後の「多分」という言葉に引っ掛かりを持っていた。
「いや・・その・・私・・人を好きになるって初めてで・・・」
「だけど・・・こんな気持ち初めてなんだ・・・だから恋・・なんだと思うんだけど・・・」
カガリは更に顔を真っ赤にして下に俯いてしまった。
「俺と一緒だ」
「え?」
「俺も初めてなんだ恋したの」
アスランはカガリに微笑みかける。
言おう。俺の気持ちを真っ直ぐに・・・
「カガリ・ユラさん俺と付き合ってください」
カガリは赤い顔をさらに真っ赤にしたあと
「はい」
と頷いた。
2人はしばらく見つめ合っていた。
「だ・・・・抱きしめていい?」
アスランはうれしさと堪らなさで思ったことを口にしてしまった。
言った後に「しまった!!いきなりこれはないよな!?」と思って慌てて否定しようとしたが、
カガリは
「・・うん・・・」
と恥ずかしそうに言った。
アスランはカガリの背中に手を回す。
その手が腰に下がりカガリをぎゅっと抱きしめた。
「好きだ」
「うん」
「すごく好きなんだ」
「うん 私もだ」
そういった後、アスランはカガリを抱きしめていた体を起こしジッとカガリを見つめた。
2人の眼が合う。
そしてどちらからともなく顔が近づいていく。
そっと唇が触れ合った。
やさしく・・・そしてぎこちなく・・・
俺・・もう死んでもいい・・・
というほどアスランが幸せをかみ締めたとき
「アスラァァァン!!!!」
キラの声が家中に響いた。
や・・・やっと一区切りつきました〜★
なんて長いんだ・・(こればっか言ってすんません)
でも、やっとくっつきましたね〜
次はいよいよシンの登場です☆